スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新の無いブログに表示されています。
新しい記事を書くことで広告が消せます。
  

Posted by さがファンブログ事務局 at 

2009年01月21日

誤変換☆悩み☆楽しみ

 パソコンのソフトを使って文章を書くときに、入力の誤変換に悩まされている。「伊万里津」のつもりで入れれば「今率」、「立花氏」は「立ち話」。「白銀黄金」は「城が猫が寝」、「剣豪宮本武蔵」は「堅固海や求む刺し」。
 機械におちょくられているような気になる。入力時に気付いて苦笑するくらいならよいが、「深い感謝」を「不快感謝」と出せば、相手に大変な失礼を働くことにもなりかねない。全く困っている。
 だが、単調な入力を続けていると、時々そのたくまざるユーモアのセンスが、気分転換になるのも確かだ。中国で秦の始皇帝陵に新たな発見があったというニュースが流れた日、郷土史の伊万里高等女学校の「四綱領 温良貞節…」を「始皇陵 怨霊定説…」と変えてくれた。
 メスがオスの胃の中に産卵し、オスがそのまま卵をかえして子育てする珍しいカエル(絶滅したかもしれないという)の話を読んだ日には、「胃の中の蛙(かわず)」(正しくは「井の中の蛙」)。
 誤変換には十分注意しなければならないが、ちょっと楽しい時もある  


Posted by 渋柿 at 17:18 | Comments(0)

2009年01月21日

「尾張享元絵巻」15

 有馬兵庫頭氏倫(うじのり)と加納遠江守久通(ひさみち)。どちらも将軍吉宗の腹心の側近、御用取次の役にある。吉宗が紀州藩主であった頃からの股肱(ここう)の臣であった。
「躬は、将軍家に喧嘩を売った。勝てぬ喧嘩じゃが、後には引かぬ。ただ、この尾張藩だけは潰すわけにはいかぬ」
「私に・・」
(獅子(しし)身中(しんちゅう)の虫となれと)
「そうじゃ」
 竹腰は、しばし瞑目した。水仙の香りを聞く。そして、畳の上の碗を取り上げ、ゆっくりと啜(すす)った。懐紙(かいし)で碗口を拭き、
「結構な服加減で」と礼をした。
 付家老とは幕府から派遣された目付け役という性格も持つ。宗春と吉宗の確執が限界を超えたときには、主君より幕府の側に立たねばならぬ。竹腰は、どの道苦しい立場に立たされる。宗春は、先回りして竹腰に将軍と連絡を取れというのである。
(躬は意地を通す。しかし尾張徳川家を潰すわけにはいかない。ぎりぎりのところで自分をも裏切り、尾張家を守れ)
 宗春の心中を、茶を服する間に竹腰はしっかりと汲んだ。
「もし、躬に毒を盛れというご内意があれば、毒薬は直接躬に渡せ。躬の手で碗にしこむ。罪なき鬼役(毒見役)の命まで巻き添えにしては哀れゆえのう」
「殿・・」
「いざとなればそちが幕を引く、さすれば躬は安んじて喧嘩ができるというものよ」
 宗春は竹腰の服し終わった筒茶碗をすすいで建水(けんすい)にあけた。
 炉の釜に水差しの水を注し松風の音を鎮める。
 碗を茶巾(ちゃきん)で拭い、自服のための薄茶を点て始めた。
  


Posted by 渋柿 at 12:34 | Comments(0)