2008年08月27日
伊万里の愚痴聞き地蔵様
伊万里市上黒尾町、市街地から延命橋を渡った辺りには、延命地蔵尊が鎮座し、橋の名の由来にもなっています。「『これは、そこの地蔵さんば連れてこらしたとですか』てよう聞かれます」そう笑う、延命橋たもとの吉富美和子さんのお宅の玄関先に、去年三月「愚痴聞き地蔵」様が建立されました。
様々な悩みを抱えている方の「ぐち」を耳に手を当て身を乗り出して聞く、ユーモラスなお姿です。前に石の椅子も用意され、じっくり腰掛けて聞いていただけます。ちょっと、クライアントを前にしたカウンセラーを思わせます。
「一昨年十一月、NHKで放送された、名古屋の桂芳院の『愚痴聞き地蔵物語』を見て思い立ちました」と、吉富さん。ご近所の、九十九歳になる力武ツマさんと、同じお地蔵様を建立しました。
「これはいい。お願いをしておすがりする仏様ではなく、ただぐちを聞いてくださるお地蔵様があってもいいのではないか」と思われたそうです。
お地蔵様ながら、どこか羅漢さんのように、人間くさく親しみやすいお姿です。ぐちきき地蔵様は、初秋の日差しの中、今日もぐちに耳を傾けていらっしゃいます。
「いつでも、いすに座ってお地蔵さんの前で、ほっと一息ついてください」とのことでした。
Posted by 渋柿 at 14:32 | Comments(4)